「それは卑怯!」
理恵の言葉にすかさず朝陽も同意する。
「おまえ、それはないだろ。ずるいぞ!」
湊は理恵と朝陽にいたずらに笑いながら永遠を抱き上げた。
永遠が握っているのは湊が昔使っていた本物の聴診器だった。

樹がそんな三人を見て笑っている。

理恵は朝陽と目を合わせる。
「これはじゃんけんだな。」
「だね」
結局二人はじゃんけんをして負けた朝陽が風呂掃除と玄関掃除を一週間することになった。

「もう、本当にかわいいね」
理恵は庭で遊ぶ永遠と湊、朝陽を見ながら樹に話しかける。
「自我が芽生えてきて大変。」
樹が理恵を見て微笑む。
「仕事は?どう?」
「大変だけど、すごくやりがいを感じてる。私の居場所はここだなって思ってる。」
「そっか。」