幸せな結末

「朝陽。」
「ん?」
「私といたら、朝陽は一生、お父さんにはなれないよ?」
「何言ってんだ?」
朝陽が立ち止まる。
理恵は朝陽の方を見た。
「私は朝陽に自分の子供を持ってほしい。父親になって赤ちゃんを抱く朝陽を見たい。やっぱり。」
「・・・」
「私にはそれは経験させてあげられないよ?」
理恵はさらりと朝陽に告げる。

さらりと言った理恵の言葉に見えない覚悟があることを朝陽は気づいている。

朝陽は理恵の手を握りながら歩き出した。

「いいよ。理恵が一緒にいてくれるなら。それでいい。」
朝陽もさらりと言葉を返す。