幸せな結末

「あったかいな。」
「うん」
朝陽が理恵に話しかける。
その目は抱いている赤ちゃんにくぎ付けだ。
「幸せになれ。元気に育て。かっこよくなれ。」
そんなことを話しかける朝陽を見て理恵は微笑んだ。



「かわいかったな。」
「うん。」
「お祝い、一緒に選んでくれてありがとうな」
「うん」
病院へ向かう前に理恵は朝陽と待ち合わせて朝陽からの出産祝いを選ぶのを手伝っていた。
たくさんのベビー用品を二人で選びながら理恵はその瞬間だけでも自分たちの子供がいたら経験できたことを、朝陽と経験できてうれしかった。
理恵が候補に挙げたベビー用品を朝陽は理恵が思っていた以上に真剣に選んだ。
安全性を重視する朝陽に、きっと自分の子供が生まれたら過保護になるのだろうと思った。