「高瀬さんのお知り合いの方ですね。生まれましたよ。」
看護師の呼ばれて理恵と朝陽は呼ばれた。

朝陽は入れなかったが理恵は看護師でもあるため特別にガラス張りの新生児室に入ることが許された。
専用のエプロンをつけて湊がその部屋に生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて入ってくる。
そして、理恵に生まれたばかりの赤ちゃんをこわごわと抱くように差し出す。
理恵は少し戸惑いちらりとガラスの向こうにいた朝陽を見る。
朝陽は力強くうなずきしっかりと理恵を見ていてくれた。

その瞳に力をもらい理恵が赤ちゃんに向かい手を伸ばす。

慣れた手つきで赤ちゃんを抱く理恵。

「あったかい・・・。」
懐かしい新生児のぬくもりを感じながら理恵は涙を流す。
そして「生まれてくれてありがとう。おめでとう。」と心から赤ちゃんに話しかけた。