ばたばたと身支度を済ませて出勤するとすぐにあちらこちらから名前を呼ばれる。

「和田さん、採血できなくて、かわっていただいていいですか?」
「了解。何号室?」

「和田さん、305号室の桜木さん、夕べ入院したんですけど腰痛を訴えていて」
「了解。採血終わったら行くね。」

「和田さん、妊娠30週の妊婦さんが救急で運ばれます。師長が和田さんに入ってもらえって」
「了解!」

毎日忙しい。それでも仕事は充実していて、頼られることに理恵は喜びを感じていた。

命を取り上げればうれしいし、赤ちゃんに癒される。

患者から感謝されればまたがんばろうという力になる。


理恵は今日も次々に仕事をこなしていった。