幸せな結末

朝陽の車に乗り込むときにも理恵は助手席に乗ろうとした自分にふと気が付き、後部座席に乗った。もう助手席はほかの誰かの席だ。

朝陽もそんな理恵に何も言わない。

「病院についたらあとは大丈夫だから・・・。」
理恵が朝陽にそう告げると朝陽はルームミラー越しに理恵を見た。
「だめだ。今日、俺休みだし。時間はあるから。帰るまで付き合う。」
「・・・でも、そこまで・・・。」
お互いに触れられないテリトリーがある。

言葉にしたくても、言葉にしていいかわからず言葉を飲み込んだ。

息苦しい。

朝陽もそれ以上は言葉にしなかった。

病院につくと朝陽は理恵を正面玄関で降ろし、車を停めに行った。