幸せな結末

理恵は体調も安定してきていたため、以前のように体が軽かった。

重なるお産をサポートし、急患にも対応をする。
その間に病棟に入院している患者からの呼び出しにも応じていた。

「さすがね」
師長も感心する動きに長年の経験を感じた。
「今の和田さんならオペ室も大丈夫かしら?」
「はい。やらせてください。」
理恵はオペ後に倒れた日からオペ室勤務は外れていた。

「じゃあ、これから緊急のオペが入るから、お願いね。」
師長の言葉に理恵は頷きすぐに支度をした。
「患者は妊娠30週の妊婦。事故により内臓と頭に損傷を受けています。帝王切開術の間にけがの状態を見て外科のチームが同時進行でオペします。」
「はい」
理恵がオペ室に先に入り準備をしていると外科のスタッフも入ってきた。
「執刀は?」
「和田先生です。」
なんとなく予感がしていた理恵は小さくため息をついた。