幸せな結末

でも、もしも自分にそうしてあげることができないのなら・・・。


理恵は考えが膨らみそうになり目を閉じた。

すると不意に朝陽が理恵の手を握る。
「疲れた?」
「・・・少し」
「気使い過ぎなんだよ。」
「・・・うん」
理恵が目を閉じたままで答える。
「でも」
「・・・ん?」
「ありがとうな。」
「うん」
朝陽の温かくて大きな手に包まれながら、理恵は眠りについた。



夢を見た。
朝陽がそっくりな男の子と手を繋いでいる夢。
この夢が現実になればいいのにと願いながら理恵は夢から覚めたくないと思った。