極秘新婚~独占欲強めの御曹司と突然夫婦になりました~


 しかし、そんなグダグダな私に、神様はしっかり天罰を用意していた。

 土曜の朝、枕元でスマホが鳴った。

 のっそりと起きて見ると、母から着信が。

 そうだ、おもてなし料理の買い物を頼んであるんだった。きっとその件だ。

「もしも~し」

 寝ぼけた声で電話に出ると、いきなりコンコンと咳き込む音が聞こえてきた。

『もしもし、希樹?』

 コンコン、ゲホゲホ。

 不愉快な音が響く。

「どうしたの。風邪?」

 受話器越しに風邪が伝染るわけないのに、あまりの咳のすごさに、スマホを顔から離してしまった。

『そう。インフルエンザだって』

「うそっ、インフル!?」

 さーっと血の気が引いていく。

『悪いけど、今日は行けそうにないわ。まだ熱があって……』

「ええー。なんでインフルになんかなるのよう。あてにしてたのに」

 母が悪いわけじゃない。わかっているけど、不満を言ってしまう。

『代われ、お母さん』

『でもパパ……』

 受話器の向こうで父が何か言っているようだ。

 なんだろうとスマホを耳につけた瞬間、大声で怒鳴られた。

『お前はお母さんを殺す気か! 料理くらい、ネットで調べればいくらでも作り方が載っているだろう! 自分で作れッ』

「え、あの」