翌日、裕ちゃんは何も動揺などしていない顔で起き、平然といってらっしゃいのキスをし、出勤した。
「本当にラブラブ新婚さんじゃん……」
子作りはしていないけど。
また想像しそうになり、ブンブンと首を横に振る。
そんな場合じゃない。おもてなし料理、どうするかだよ!
「ハッ……そうだ!」
私には強い味方がいたことを思い出す。
スマホをつかみ、電話をかけた。
『もしもーし』
相手はすぐにつかまった。
「もしもし、お母さん? 大変なの。助けて!」
『えっ、どうしたの』
「実はかくかくしかじかで……。お願い、日曜の朝早くに、おかず作って持ってきて」
我ながら情けないお願いだと思うが、仕方ない。
恥もプライドも捨てて懇願すると、受話器の向こうからは深いため息が。
『そうしたとして、作り方を聞かれたら、答えられるの?』
「うっ」
言葉に詰まった私に、母はさらに厳しい言葉を。



