今思えば卑怯なことも許してもらわなきゃいけないこともないのだけど、責められた私はそこから逃れたい一心だった。
うなずきかけた、そのとき。
『何をしているんだ?』
柔らかい声音に、一同はハッと後ろを振り向く。そこにはすらりとした長身の裕ちゃんが。
『ええと……』
『その子は僕の妹みたいなひとなんだ。妹がなにか君たちの迷惑になるようなことをした?』
声を荒らげるのではなく、語りかけるような裕ちゃんに、彼女たちの嫉妬の炎は静かに鎮火された。
妹、という言葉は意外に効いたらしい。
私と裕ちゃんの間に恋愛関係がないことを確信すると、彼女たちはホッとした表情を浮かべる。
『ううん、そんなことないの』
『ちょっとお話していただけ』
『じゃあね、星野くん。またね』
口々に言って、彼女たちは散り散りに去っていった。
『裕ちゃん、助けに来てくれたの……?』
ふたりきりになったと思って話しかけると、物陰からスカートを揺らし、羅良が駆けこんできた。



