極秘新婚~独占欲強めの御曹司と突然夫婦になりました~


 ゆっくり言ってもらって、やっと理解した。

 私、やっと正式に裕ちゃんのお嫁さんになれるんだ。

 そして、そのうち、新しい家族が増える。

「双子だったらすごいな。忙しくなるぞ」

 裕ちゃんは破顔して、ソファに座った私を抱きしめる。

 悲しくもないのに、私の目から涙がぼろぼろと零れた。

「ああ、また泣いてる」

「だって、だって……」

 嬉しさが何重にもなって、言葉が出ない。

「愛してるよ。俺の花嫁さん」

 裕ちゃんは優しく私を抱き寄せ、指で涙をぬぐう。

 そして、触れるだけのキスをした。



 子供の頃から、あなただけを見てきた。

 私はずっとずっと、あなたの花嫁になりたかった。
 
 その気持ちを閉じ込めて、見ないようにし、忘れたふりをしていた。

 でも、本当はずっと、心があなたを追いかけていた。

 叶うことなどないのだと、諦めていた夢が、今現実になる。

 温かく広い胸で声を出して泣く。

 裕ちゃん。私の大事な旦那様。

 私はまぎれもなく、世界中で一番幸福な花嫁だよ。

 心から、「愛してる!」と叫んだ私は、お腹をつぶさないよう気をつけつつ、ぎゅっと、裕ちゃんに抱きついた。

 
 【end】