極秘新婚~独占欲強めの御曹司と突然夫婦になりました~


 一度は自分の性癖に悩み、死を選ぼうとまでした羅良が、素敵なパートナーと出会い、無事に幸せになれたから……。

 ダメだ、また泣けてきた。

「これあげるから、笑いなさい。ほら」

 羅良は持っていたブーケを、私に差し出した。

「え……」

「希樹しか若い女の子いないから」

 たしかに、相手の方もお母さんと男装友達くらいしかいないみたい。

「ありがとう」

「今度は、希樹だからね」

 ウインクされて、曖昧に微笑んだ。

 そう、私と裕ちゃんは、まだ正式に夫婦になれていない。

 今回の事の次第を、裕ちゃんから彼の両親に説明し、説得を繰り返しているが、ご両親はまだ羅良のことを理解してくれないという。

 だから、私との結婚も渋りまくっている。

『親族にそんな子がいるなんて、恥ずかしいわ』

 お義母さんはそんなことまで言ったらしい。

 永遠にわかりあえる気がしない……。

 裕ちゃんは実家と縁を切ると息巻いていたけど、なんとか落ち着かせた。

 だって、家族がバラバラになってしまうのは、見ているだけでもつらいから。


 やがて、主役のふたりも撤収し、帰っていった。

 私はぼんやり、泣きはらした目で、教会を見上げる。

 羅良たちはいいなあ……。自分たちの純粋な思いだけで突っ走れてさ。