「さ、さあ行くよ!」
我に返って恥ずかしさを誤魔化すように、海に向かって走り出した。
その後も有名な観光地を渡り歩き、人気のパンケーキ店やステーキ店で、カロリーを恐れることなく摂取。
「はい、裕ちゃん、あーん」
ノリでふざけてみる。フォークにまあまあ大きく切ったステーキをぶっ刺し、裕ちゃんに向ける。
すると裕ちゃんは、見たこともないほど大きな口を開け、それをぱくりと食べてしまった。
ビックリする私に、どや顔をする裕ちゃん。
こうして滞在期間は、刻々とすぎていく。
「今日が、ゆっくりできる最後の日だね」
朝、ベッドの上で目覚めた私は、裕ちゃんにくっついた。
ふたりとも素肌なのは……うん、察してほしい。新婚旅行だし、両想いになったばかりだし。
「今日は自由行動じゃないんだ。予約してあったところがあってね」
「えっ、聞いてないけど」
「驚かせようと思って、黙ってた」
いたずら顔で笑う裕ちゃん。
彼のこんな顔、私以外に見られない。
ホテルで朝食をとったあと、裕ちゃんについていく。
私はこっちのお店で買った、いかにも観光地風の花柄ワンピースにサンダル。完全に油断していた。
ホテルの中を散歩でもするのだと思っていたら、敷地のはずれにある建物に入っていく。



