「なあ、希樹覚えてるか?」
キスがひと段落したところで、裕ちゃんが言った。
「なに?」
「明後日から、新婚旅行だってこと」
「あっ!」
怒涛の展開すぎて、忘れていた。
そういえば、私、自分の名前でハワイに行くことになっていたんだっけ。
「俺も色々ありすぎてキャンセルするのも忘れていたから……予約そのままなんだが、行くよな?」
裕ちゃんがニッと笑った。
新婚旅行。行先は常夏の島、ハワイ。
青い空。白い雲。透き通った海。そして生クリームたっぷりのパンケーキ。
「行く!」
それよりなにより、この国から離れて裕ちゃんと二人きりになりたい。
私は即答していた。
「よし、行こう。 その前に」
裕ちゃんは私をお姫様抱っこし、せっかく用意した食事から離れていく。
「あ、あの、ご飯……」
「いや、それより先にやることがある」
連れていかれたのは、いつも添い寝していた寝室。
ベッドの上に優しく降ろされると、裕ちゃんの大きな手が私の頬をなでる。
「今までどれだけ我慢してきたと思っているんだ。今日こそ、俺のものになってもらうからな」



