「永遠に続くわけないことくらい、わかってた。でも、どこかで偽装が真実になればいいと、願っていた」
私の左手を優しく取り、結婚指輪にキスをする裕ちゃん。
「裕ちゃん……」
「遅くなってしまって、ごめん。俺と結婚してくれ、希樹」
たちまち涙の膜がはる。
裕ちゃんの顔がぼやけたと思ったら、雫が堪え切れずに、頬を滑り落ちた。
「お義母さんたち、許してくれるかな」
「説得するよ。ムリだったら、縁を切ってもいい」
濡れた頬を優しくなでられる。
のぞきこんだ顔が近づいて、鼻が触れた。次に、唇。
「お前さえいてくれればいい」
低い声が胸に響いて、余計に涙が溢れる。
「……私、私も、裕ちゃんのお嫁さんになりたい。頑張るからっ、よろしく、お願いします」
私たちの前には、苦難が待ち受けている。正確には、義両親という壁が立ちふさがっている。
それでも、私たちは、一緒にいると決めた。
返事の代わりに、裕ちゃんは微笑み、キスをした。
何度も、何度も。
今までのとは違い、熱く、深く。



