アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「ありがとう、つむぎ。でも俺も、つむぎが空の事で苦しむ姿も、見たくないんだ。」

「五貴さん?」

「だからつむぎは週末に、俺を笑顔で迎えてくれれば、それでいい。」

「……うん。」


今まで、夫婦って毎日一緒にいるのが当たり前で。

別れた夫婦に子供がいる時って、親権を持ってる方が、何でも面倒を見るものだって、思ってた。

でも、私達の場合は違う。

それでもいい。

それが、私達の夫婦の形なんだ。


「俺、つむぎと結婚して、本当によかった。」

「私も。」

私達は、体をゆっくりと離すと、今度は顔を少しずつ近づけ始めた。

「ゴホンッ。」

ずっと隅で聞いていたお父様が、咳ばらいをする。

「あっ……」

いつも余裕の五貴さんが、お父様の方を向いて、顔を赤くしている。

それが面白くて、私はクスクスと笑ってしまった。


「仲がいいのは、結構。だが、周りをよく見る事だな。」