アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

「実家がこの病院の隣なんだ。朝、実家に寄ってシャワーと着替えと、朝食を済ませている。」

「実家で?」

私はそれを聞いて、落ち込んでしまった。

結婚したのに、実家で毎日朝食を食べているなんて。

ちょっとショック。


「あ……ごめん。つむぎの家まで帰る時間がなくて……」

「私の家?」

「いや、俺達の家。」

誤魔化しているのが、余計辛かった。

「……時間が遅くなってもいいから、帰って来てよ。」

「つむぎ……」

「結婚するって、そう言う事でしょう?」

五貴さんは、申し訳なさそうに下を向く。


「つむぎさんの言う通りだ。」

黙って見ていたお父様が、口を開いた。

「用事があって、どんなに遅くなっても、妻が待つ家に帰るのが、夫の役目だ。そうだね、つむぎさん。」

「……はい。」

でも五貴さんは、納得できないようだ。

「駄目なんだ。」

「何が?」