それから皆は私が無理をしない程度に部屋で過ごしてくれた。




双子と敏次はゲームをしてアキラは本を読み無限はパソコンを見つめて棗はーーー





「……何だ？」




どうしてこいつは私の真横で寝ているのだろう……。





私の寝ているベットで寝ている棗が無表情な顔で聞いてきた。





「……なんでここで寝てるの？」






「近いから」





「………」






まぁベットは広いし邪魔ではない。





しかし隣で寝る必要があるのだろうか……。





何も言わずため息をつくと、途端に眉間にシワを寄せ始める棗。





おそらく私の態度が気に入らないのだろう。





くるっと棗に背を向けると腹部に何かが触れた。





それが腕だと気付いたときには既に遅く、棗が私の体をしっかりと引き寄せ抱き締めていた。






……抱き枕がないと寝れないのかな？
などと考えていると……





「俺の側にいろ」





低くて甘い声がした。





「っ…」





なぜだか顔が赤くなる。






びくっと私の体が動いたことに棗はもちろん気付いているだろう。





私は動揺を感じさせないために目を瞑って夢の世界に逃げたのだった。