「「あれ?美幸ちゃん!」」




私に気付いた双子が近付いてくる。




「どうしたのー?」と斎




「此処に来たってことは気になったってことじゃん~」と突っ込む環





「あ、そっか!」





双子の会話が耳に入らないくらい色とりどりのお菓子に目が釘付けになった。





壁にも箱に入ったお菓子、店内には円形状のテーブルにお菓子が入れられくるくると回っている。




食べたことがないものが物珍しく釘付けになっていると、




「試食してみる?」と斎




「…え、食べれるの?」と驚くと口元に甘い匂いがした。




環が小さなイチゴの形をしたお菓子も持ってきていた。




パクっとそれを食べると形と同じイチゴの味が口内に広がり、ガムともグミとも言えない食間が面白い。





「おいしい…」




「でしょでしょ~!」と喜ぶ環




「まだ沢山あるよー!」と斎






そしてふとイチゴの味が分かった事に気付く。





呆然と自分の手を見つめる私。





味覚が……戻った…?





口内には確かにイチゴの味がしている。





こんなにも美味しいと思えるなんて。





壊れ欠けていた私の一部が戻りはじめているのだろう。





味覚が戻ったことが嬉しくて、気になったお菓子があれば斎と環に取り方を教わりながら可愛らしく絵が描かれているビニール袋にお菓子を詰めていき買うことができた。