しかしいくら見ても興味のある店はなかった。



「……美幸さん。欲しいものはありませんでしたか?」




「うん」




休憩がてらジュースを飲みながら聞いてきた無限に私は即答する。




「全く?」




さらに頷いた。




「今まで買い物とか来なかったって言ってたね。じゃぁ物欲がないってことだよ、無限。」とアキラ




「そうですね。……では予定変更しましょう。」




そう言ってちらっと私の後ろを見た。




先程まで何処かに行っていた棗が帰ってきたのだ。




「我々が貴女に似合うものを選びますからお店を廻りましょう」




ニコッと笑う無限。買い物が楽しいのだろう。




「あ、じゃぁ俺は下着コーナから……」




と言った敏次を笑顔で無言で下の階へ突き落とそうとするアキラ




「じょ、冗談だって~」と敏次




しかしアキラの目は笑っていない。




「「あ、僕たちお菓子見てくる~!!」」




双子はカラフルなお菓子が売られている店を見つけると走っていった。






双子が入っていく店を見て少しだけ興味が湧く。





「…」




突然足が止まった私の視線を追って店を見る棗。




「行きたいのか?」




無言で頷いた。




フッと笑った棗が無限たちに合図し双子を追って店に連れていってくれた。




無限たちはそのまま別の店へと歩いていく。