風呂場を出ると棗と来た道を思い出しながら戻って部屋に荷物を置いて、思った以上に広い別荘の中を歩く。



今いるのは2階で凄く静かな為リビングは一階なのだろう。





階段を見つけて一階に降りるとテレビの音が聞こえた。





そちらに向かって歩くとこれまた広いリビングにいくつかのソファーとテーブルがあってその一つに棗と無限が座っていた。





「あ、美幸さん!体調は……」といいかけて無限が黙る。





「?」





棗が怖い顔で近付いてきた。





「……服。それしかないのか?」





服?白のタンクトップに黒地のTシャツを着ているだけ。




柄はちょっとハデだが特に気にするようなものでもないと思うが……





「いつもこれ着てるけど……」





何故か舌打ちをされる。





「……それは伯さんの好みでしょうか………今度一緒に服を買いにいきましょうね」




そんなに似合ってないのだろうか……二人の反応に私は少し落ち込む。




「体調は大丈夫ですか?」




「うん。アキラたちは?」




「今買い出しに行ってます。さっき連絡があったのでもうすぐ帰ってきますよ。」