ーーなんだー?チビお前一人か?ーー
ーーそーんな傷だらけで。将来お嫁に行けないぞ~ーー
ーー俺はお前を絶対に傷付けない。だから俺を信じろーー
ーー俺達と家族になろう。ーー




「………伯…」




ふっとそれまで消えていた感情が戻った。





暴れるのをやめて大好きな人の名前を呟く。




棗がそっと微笑んだ。




「戻ったな。」




私は静かに涙を流した。




棗は私を抱きしめるのを辞めて私を抱き抱えて椅子に座らせる。




「無限、伯さんを呼べ。」




「もう呼んでますよ」




既に伯に電話をしていた無限。





私はただ俯いて泣くだけだった。




棗の手がそっと頭に乗るのが分かった。





その温かい手に自然と震えは収まる。





伯は直ぐに駆けつけてきた。





ドアが壊れそうな勢いで開いたかと思うと部屋の中に飛び込んできた。




「美幸!!!?」




私は部屋に入ってきた伯に抱きついた。




「…伯。」



「っお前…泣くなんていつぶりだよ……。」



私の表情を見て優しく笑って力強く抱きしめてくれた。