私の瞳はしっかりと前を向いているのに何も写してはいない。



ゆらりとまた近くにあった椅子を掴んで投げつけるがそれを棗はまた簡単に受け止めた。





「……もっと……」





もっとだ。……もっと確実な攻撃をしないと……




私は足に力を入れ軽く踏み込む。





棗の前に敏次が立ちはだかった。





「ってめー!!棗に仇なす気か!!」




敏次が拳を構える。




私はサッと身を屈めて次には高く跳躍し敏次に回し蹴りをする。




私の回し蹴りを両腕で受け止めた敏次はあまりの蹴りの重さに腕が痺れ両腕を振って感覚を戻そうとするも私はそんな猶予も与えない。




地面に足が付いた瞬間隙だらけだった脇腹に左足を決める。



その素早い動きに敏次は付いていけずそのまま横に倒れた。




「って!!!」




「トッシー!?」と駆け付ける環




「美幸さん!!落ち着いてください!!」と叫ぶ無限




「ダメだ無限!完全に感情が消えてる。暴走状態だ」とアキラ




「っ棗のせいだよ!僕たちはちゃんと美幸ちゃんの危険ライン越えなかったのに~!」と同じく敏次に駆け寄る斎