そして入学日である今日、かなりの時間をかけて学校まで向かっている私である。





「あーぁ。……私も人間なんて汚いものじゃなくて貴女たちみたいな美しい物に生まれれば良かったな……」





優しいそよ風が私の背中まである長い髪と桜の花びらを游がせる。





そっと手のひらを差し出すと美しい花弁が手に乗り、しばらくしてまたそよ風に拐われ飛んでいく。




それを淋しそうな顔をして見ていたことに気付かずまたトボトボと歩き出す。