マンションのホールで郵便物の確認をしていると、ふと人の気配を感じて顔を上げる。







前に立っている人の顔が見えた時、私は見知った顔だと言うことに気付き持っていた荷物を全て落としてしまう。






目を見開き少しずつ震え始める体。












どうして










なんで









前にいる人は最初から私に気付いており笑っていた。







「随分と久しぶりだな~…美幸。」






声を聞いて余計に体が動かなくなる。







綴じたくても綴じれない自分の瞳。






カラカラに乾く口内。






その声を聞くだけで今は治った筈の体の傷が疼く。






「雰囲気が変わったんじゃないか?随分と元気そうだな。お前が居なくなってから俺たちカゾクはみんな心配して探してたんだからな~~?」






ケタケタと笑う男。






「……っな、何しに来たの、瑠依」