まだ仕事があるはずなのに伯は私を家まで車で送り届けてくれた。



「伯、ありがとう」




「おぅ。今日の晩飯は?」





「今日は鶏肉があったからチキン南蛮にしようかな」




「りょーかい。何かあったらソレ使えよ?」



そう言って伯はまた学園に戻っていく。




ソレとは携帯のこと。




私は要らないと言ったのだがいざという時の為と持たされた。




中には伯と昌廣の二人しか連絡先が登録されていない。




過保護だな、と思うがそう思えることがとても嬉しかった。