そして金曜日。






学校が終わってそのままアキラと野イチゴモールに行った。






棗にはちゃんと許可を貰っており、無限は棗の監視役として残ってくれた。






アキラの紺色に桜の花びらが描かれた大きなバイクから降ろしてもらうとそのモールの大きさに困惑する。






「大丈夫。ゆっくり見ていこう」






「…うん」






こんな大きな建物の中で棗へのプレゼントを見つけれるかとても心配だ。





モール内に入ると意外と他校の高校生が多く、アキラを見つけると沢山の悲鳴が上がった。






「?どうしたのかな?」






「クスっ。気にしなくていいんだよ。それより色々と見ていこうか」

アキラの言葉に頷く。






取り合えず片っ端からお店に入っていき商品を見て回るが中々直感が閃く物は見つからない。






「はぁーー。」






「疲れた?」






微笑みながら私に飲み物をくれたアキラに頷く。






「……そう言えばアキラは何にしたの?」






ベンチで長い足を組んで座っている彼はまるでモデルのように輝いていて。






すぐに我先にと近くに座り始める女性が増える。





「どっかのモデルなのかな?」

「かっこよすぎなんだけど!!」

「あの子彼女なのかしら?」

「えー?かなり美人だし兄妹なんじゃないの?」

「でも似てないよ?」






などの話し声が聞こえるが自分達の事を言われていると気付かない私の頭をクスクスと笑いながら撫でるアキラ。






「俺はチケットだよ」





「チケット?」





「そう。場所は秘密だけどね」





「そうか……そう言うプレゼントもいいんだね」






「うん。気持ちがこもっていれば何でもいいんだよ。」




「………私、プレゼントなんて貰ったことなかったから…どんなものをあげればいいのかも分かんなかったけど……今は凄く棗にあげたい。」






「うん。その気持ちがあれば絶対に見つけられるよ」





優しく微笑んでくれる彼は本当に兄のように思えた。