それを聞いて棗が立ち止まった。






「本当か?」






「何が?」






「本当に買い物が目的か?」






言われている意味が分からず私は首をかしげる。





「買い物以外に何か別の意味はないか?」






棗の誕生日プレゼントと言うことは隠さないといけないと思い頷いた。






「何もないよ?」






そう言うと安堵したように静かに迸っていた殺気が落ち着いた。






「…俺が一緒に行く」






「え?」






「俺が一緒に買い物に行ってやる」







「いや、遠慮する」






即答するとガシっと頭を掴まれた。







「お・れ・が一緒に行ってやる」







私は負けじと首を振った。







「嫌だー!棗はダメなの!」






入り口で言い合っている私たちを見かねて恐らく察したであろう無限とアキラが助け船を出してくれた。






「ほ、ほら、棗!美幸ちゃんは女子が必要なものを買いたいんだよ!」とアキラ






「そうですよ!棗が一緒だと恥ずかしいことだってあるんですよ!彼氏なら分かってあげないと」






「?どういうい…むっ」






アキラと無限のフォローを無駄にしようとしていた私の口を咄嗟に塞ぐ敏次






「お前は黙ってろって!」






「今の棗には火に油だよ!」と斎





大人しく黙っていることにした。