「「「「えーーーーー!!!!!」」」」
全員が驚きで目を丸くする。
私が思いっきり紅蓮の頬を叩いたのだ。
叩かれた張本人である紅蓮すら何も言えずただ私を見つめる。
「……さっきから大人しく聞いてれば私を譲れだのくれだの……人を物みたいに言わないでくれる!?そんなこと棗に聞かず私に直接言いなさい!私は棗の物なんかじゃない!人の人生を本人抜きで決めるな!!
…大体そんなことのために斎をあんな目に合わせておいて、アンタが総長っていうなら人の命をどうとも思わないアンタなんか総長失格よ!!」
一気に捲し立てる。
紅蓮はただ呆然とぶたれた頬を押さえて立ち尽くす。
そしてポツリと
「……ご、ごめん」
ひと言呟いた。
「私にあやまるより先に斎に謝りなさい!」
そう言うと紅蓮がそっと私の左手を握る。
「謝る。あいつにはちゃんと謝るから…俺の彼女になってくれんの?」
「は?嫌」
即答する私に恐らく多くの人が突っ込みたくなっただろう。
「私はアンタのその勝手さに頭に来てるの。」
「けど直接私に言いなさいって言ったのは?」
「確かに言ったけど私の答えは却下よ」
紅蓮は少し考えてから素晴らしい笑顔になった。
「うん。分かった。君に認めてもらえるまで俺は諦めないよ。ずっとアタックしていくから」