長くて深い、蕩けそうになるキスに私は堪らず顔を背ける。





しかし気が付けば私の体は逃げられないようにしっかりと棗に固定されていた。





「言っただろ?ずっと我慢してたって」






「何を我慢してたの?」






「お前の中を俺だけにしたい」






「…っそんなこと出来ないよ」






そう言うと棗がまた深いキスをした。






直ぐに息苦しくなった私は棗の胸を叩くが棗はキスを止めてくれない。






むしろ頭を逃げられないように固定される。





あまりの息苦しさに堪らず息をすると途端に口内に暖かいものが入ってきた。





優しく時に激しく口内をまさぐられ次第に頭がぼーーっとなってくる。






トロンと力の入らない目で棗を見上げれば





「っそんな目で見るのは反則だ。」






そう言って優しくキスをされた。






「足りない…」






そう言って何度も何度も繰り返される甘いキスに私の意識は次第に薄れていった。










次の日当たり前のように熱が出た私。








困ったような、心配したような顔でずっと看病してくれる棗がいることが嬉しくて、しかし熱が思ったより酷くて朦朧とする意識の中棗の手を握っていたのは覚えていた。