棗は大きなバイクを巧みに操縦し、程なくして倉庫に帰りついた。






倉庫に着くと多くのメンバーが上半身を裸にしてタオルを振り回していた。






倉庫に入ってきた棗と私を見て一瞬の静寂とともに歓声が沸き起こる。





「美幸さんー!!!良かったー!!」






「無事だったんすねー!!」






「良かったっすー!!」






口々に無事を安心してくれているメンバー。






みんなが濡れているのは恐らくこの大雨の中私を探してくれていたからだろう。






そう思うと私はとにかく嬉しさと申し訳なさで顔を俯けることしか出来なかった。






お礼を言うと棗が私の腰に手をやり半ば強引に私を2階へと引き上げる。





階段の上には大好きな人たちが待っていてくれた。





「「「「「おかえり(なさい)」」」」」






「……っただいま」




今までとは違う感情で言うことが出来た。