ココロの好きが溢れたら



「やっと来た!晴翔、こっちこっち」

「おう」


クライミング部に行くと、先に来ていた俊太が俺を手招きで呼ぶ。


「おー、来たか!期待の新人」

「待ってたぜー」


中学の時から時々練習に参加させてもらっていたため、クライミング部の先輩達はみんな知り合い。


気さくな人達ばかりだから部に馴染みやすいし、緊張もなく練習に集中できるからありがたい。


「どうだった?初対面は」


ニヤニヤとしながら聞いてくる俊太にため息を吐く。

何を想像してんだ、こいつは。


「どうもしねぇわ。会って確信した。俺はあの女が嫌いだ」


「うっわ……ひでぇ言い草だな。女の子なんだから少しは優しくしてやれよー?」



俊太には「分かってるよ」と返事をしておいたけど、優しくしてやる気はさらさらない。

優しくなんてしたらつけ上がるだけだろ。