「追いかけてきちゃった」


「追いかけてくんな。去れ」



ヒュオオオオ……。


寒いよ。

真緒ちゃんから只ならぬ冷気が吹き溢れてるよ。



「ま、真緒ちゃん?」


「相手にしなくていいから、陽毬」



え、でも。

真緒ちゃんに会いにきたんじゃないの?



「行くよ」と男の子の横をスタスタと早足に通り過ぎる真緒ちゃんを慌てて追いかける。



「ねぇ、真緒ちゃんっ」


「気に入ったの?その真緒“ちゃん”呼び」


「うん」



って、ちっがーうっ!!

そういうことを言いたいんじゃないよ!!



「さっきの人誰?」



美人な真緒ちゃんに負けないくらいイケメンだったよ。……ハルには劣るけど。


それに、少し目元が真緒ちゃんに似てたような…。



「はとこ」


へ?

はとこ?



「はとこなの、あいつ」


「えぇええええっ!!?」



まさかの親族様でしたか!!

どうりで目元が少し似てたわけだよっ!!