「行きたいところあるか?」
「うーん」
せっかくのハルとのお買い物。
でも、改めてそう聞かれると行きたいところが全く思いつかない。
ハルの行きたいところは?と聞いたら、ハルも思いつかないみたい。
なので、歩きながら気になったところに入ろうということになった。
「人多いな」
休日の昼間のためか、街は多くの人で賑わっていた。
ハル、人混み嫌いそうだよね。
チラリと隣にいるハルを見ると、想像していた通り眉間にシワを寄せている。
「あっ…ごめんなさいっ」
ハルを見ていて前を向いていなかった為、すれ違い様に肩がぶつかってしまった。
危ない、危ない…。
気をつけなくちゃ。
「なにしてんだ、お前」
ふと私の右手が大きくて温かいものに包まれた。
え…?
「離すなよ。逸れるから」
そう言って、ハルが悪戯っぽく笑う。
ハルと手を繋いでいる。
そう理解した時、私の心臓がバクバクと音を立て始める。
う、そ…。
嬉しい。
信じられない。
繋がれた手の温もりは感じるのに、心が追いついてこない。
「こ、子供じゃないもん。迷子になんてならないよっ」
「ははっ、どうだか」
どうしよう。
胸の音がハルに伝わってしまいそう。
でも…。
「っ……」
離したくない。
この温もりを感じていたい。
私は繋がれた手に少しだけ…ほんの少しだけ力を込めてハルの手を握り返した。



