爽樹が余裕で敵の会議室にカメラと盗聴器を仕掛けて2日後
今日は水曜日
パソコンの中の画面では、強そうなおっちゃん達が強そうなスーツ着て強そうに喋っていた
俺って英語は得意だから、この人達がどんだけバカなことしちゃってるかが分かる

「うっわー……」

《あと1日だな…》
《ああ。これで裏社会最強と謳われたファミリーは幕を閉じるってわけだ》
《銃と弾の準備は?》
《万全だ。俺達を含めて30人。流石のボスも対応しきれないだろ》

「バカだなー…おっちゃん達」

今まさに潰そうとしてるファミリーのメンバーに作戦会議全部聞かれちゃってんだから
しかも俺達、まだ高校生よ?
強そうだけどバカだなー。女子高生1人にアジトに侵入されて気付いてないって…

《ガガッ》

「!!」

右耳に付けたボスに貰った小型マイクに音が入った
手を当てて、声を待った

《えーっと…陸だけど…》
「あー。陸?」

そうだ。陸と繋いでるんだった
背中を反らして後ろの椅子に座ってる慧に呼びかけた

「慧ー。陸からー」
「聞こえてる」

慧が資料を眺めながら顔を上げずに言った
そして、マイクに話しかけた
陸の反応が俺のマイクからも聞こえてくる

「陸。今どこに居る?」
《えっと…一応、慧に言われた場所に居るぜ?》
「そうか」
《つーか、ここ大丈夫かよ?;》

そう。俺がハッキングした内容にあった、幹部の部下達の来る場所に陸には待機してもらってる
その場所は――


《マフィアが歌舞伎町のキャバクラ行くとかありえなくねえ!?》