(クララside)
夕方になり子供たちと別れ
商店街から続く100段の階段を上って
言霊神社に戻ってきた私たち
ベンチに座っていると
歩君はサラッと聞いてきた
「クララって呼んでいい?」
「うん。」
「クララってさ
言霊神社に、何を願いに来たの?」
「魔法学校の先生になれますようにって
魔法学校の先生って、
1年に3人しかなれないの
その結果が来月に出るから
合格祈願に来たんだ」
「そっかあ・・・
真剣な願いだったんだな
願い事するの止めちゃって、悪かったな」
「そんなことないよ
歩君のおかげで
人間界の子供たちと遊べて楽しかったし
帰る前にお願いしていくから大丈夫だよ」
帰り・・・かぁ・・・
私が魔法界に帰ったら
もう歩くんとはサヨナラってことだよね
こんな風におしゃべりすることも
歩君にドキドキすることも
なくなっちゃうんだ・・・
「クララ・・・
そのお願い・・・
しないで欲しい・・・」
「え?」
「その願いが叶ったら
もう俺たち会えないじゃん
魔法界に、帰らないで欲しい・・・
もっとクララと、一緒にいたい」
「・・・・」
「クララ、
俺と、付き合ってください」



