(クララside)
この一年
私は風となり
ずっと歩君のそばにいた
幸せだった
でも
切なかった
こんなに近くにいるのに
触れることはできない・・・
歩君の声は聞こえるのに
私の声は届かない・・・
歩君に
私を気づいてもらうことはできない・・・
でも今は
ずっと大好きだった歩君が
私の隣に座っている
「あゆむ君・・・
手をにぎっても・・・いい?」
歩君は優しく微笑んで
私の左手に
指をからめてくれた
「あゆむ君・・・
ずっと触れたかったよ・・・
あゆむ君に・・・」
「クララ・・・」
歩くんの優しい瞳が
私の瞳をとらえて離さない
ほんのり温かな歩君の手のひらが
私の頬を包み込むと
私たちは吸い寄せられるように
月明かりの中でキスをした



