観覧車は
ゆっくりと上へ上へとのぼっていく
下を見下ろすと
最初は大きく見えていた歩君が
だんだん小さく見えるようになった
なんか私と歩君の関係みたい
出会った時は
歩君の隣にいたのに
だんだん歩君から離れて行って
今では
手に届かない場所に歩君は行ってしまった
観覧車みたいに
一周まわって
もとの場所に戻れればいいのにね
そんなことを考えていた時
外ばかり見ていた私に
隣に座っていた琉生君が
小さい声でつぶやいた
「クララ、俺の方を見て」
「え?」
琉生君の方に振り向くと
フワリと琉生君が私を抱きしめた
「なんで歩なんだよ!
毎日傷ついてばっかいるのに
どうして歩じゃなきゃダメなんだよ!
俺だって・・・
俺だって・・・
クララのこと・・・
好きなのに・・・」
え?
琉生君が・・・
私のことを・・・
好き??
「俺じゃダメか?
歩を忘れるために
俺を利用してくれていいから・・・」
いつもと違う
弱々しい声の琉生君
「琉生君ごめんなさい
やっぱり私・・・
歩君が大好きで大好きでしかたがないの・・・」
「・・・ま、わかってたけどな
俺じゃダメだって
でも、本当に辛いときは俺を頼れ!
話くらい、聞いてやるから」
「ありがとう・・・
じゃあ、1つ、ワガママ聞いて欲しい・・・」
「何?」
「今夜、深夜0時過ぎに
言霊神社に来てくれない?」
「は?」
「舞ちゃんを、家まで送ってあげて欲しいの」
「なんだよそれ!」
「何も聞かないで!
お願い!
これが、にせ彼女最後のワガママだから・・・」
「クララ・・・」
「彼氏役、今日までありがとう
一緒にいてくれて
私が辛いときもそばにいてくれてありがとう」
「なんだよそれ!
もう会えないみたいじゃん」
私は微笑むことしかできなかった



