「名前、聞いてもいいかな?」
「え?・・・
あまみや・・・クララです・・・」
「クララちゃん、可愛い名前だね
俺は高杉 歩(あゆむ)
クララちゃんは宇宙人?」
「いいえ・・・魔法界から来ました・・・」
「じゃあ
俺が魔法使いさんと会ったってことは
俺たちだけの秘密な」
ん??
小指???
「クララちゃんも、小指を立てて?」
「こう?」
私の小指に
歩君の小指がからんだ
じんわりと
歩君の優しいぬくもりが伝わってきた
「俺たちは、約束するときこうするんだ」
触れているのは小指だけなのに
私の体がどんどん熱くなるのがわかる
もっと歩君に触れたい・・・
でも・・・これ以上触れたら
彼のことを本気で好きになってしまう
今ならまだ引き返せる
これで本当に
歩君とはさよならだ
「見つかっちゃったのが歩君で
本当に良かったよ
バイバイ」
一瞬でも歩君にかわいいと思ってほしくて
飛び切りの笑顔でバイバイすると
人間界のパンフレットを握りしめ
私は石段を駆け下りた



