365枚のラブレター


(クララside)

歩君との冬休みが幸せすぎる!!!



朝9時から夜の8時まで
歩君とずっと一緒にいれちゃうんだもん



全教科、赤点ギリギリの私のために
午前中は歩君が私の家庭教師



何回も同じ間違いをしちゃうのに
微笑みながら何度も教えてくれる・・・



私が魔法界で
2歳年下の王子の家庭教師をしていた時なんか

魔法界の王子さま相手に
怒ってばっかりいたな・・・



改めて
歩君の優しさに感激!!



クリスマスは、夜になったら手を繋いで
イルミネーションでキラキラ輝く商店街を歩いて
駅前広場のクリスマスツリーを見た



「ねえ、クララ
 青葉公園に行かない?」



「え?うん。いいよ」



本当は時間ギリギリまで
手を繋いで
クリスマスツリーを見ていたかったけど
それは言わなかった



青葉公園のベンチに座ると



「クララ、ちょっと目をつぶってて」



「あ・・・うん」



歩君は隣で何かカサコソガサゴソやっている


何だろう・・・何だろう・・・



「じゃあ
 3・2・1って言ったら目を開けてな

 行くよ!3・2・1 良いよ!」



私が目を開けると




え・・・・?


これはいったい何?・・・



私は初めてみる物体を目の前に
どうリアクションをとっていいかわからず
固まってしまった



「クリスマスケーキの代わりに
 クリスマス苺大福!」



「・・・・・・

 クリスマス・・・苺大福?」



それは
小皿の上に白い大福のようなものが乗っていて
ろうそくが刺してあり
ひらひらと可愛らしい火がともっていた



「クララ、苺大福って食べたことなかった?」



「うん」



「きぬさんとこの苺大福
 ずっげーうまいんだよ

 ケーキなんかよりこっちの方が
 俺、大好きでさ」



「歩君が好きな物、私も食べてみたい」



「じゃあクララ、その前にこの火、消して」



私がフーと息を吹きかけようとしたその時



「やっぱり消すの待って!」



「え?」



「俺のも用意するから」



「・・・うん」



ろうそくに火が灯った苺大福が
ちょこんと可愛く二つならんだ



「俺、
 今からすっげー恥ずかしいこと言ってもいい?」



「あ・・・うん」



「俺の目を見て『大好き』って言ってから
 ろうそく消して

 俺もクララに『大好き』って心から伝えてから
 火を消すから・・・

 ・・・・・・

 ごめんごめん・・・・今のやっぱなし!」



歩君は顔が真っ赤になって
うつむきながら手と顔をブンブン振った



「歩君・・・」



「・・・」



「ねえ、歩君
 私の目を見て・・・」



歩君はゆっくり顔を上げると
真剣な目で私を見つめてくれた



「歩君、世界で一番大好きだよ」



「クララ・・・
 俺と出会ってくれてありがとう

 クララ大好きだよ!!」



そう言って優しく微笑み
二つ並んだ苺大福のろうそくに
二人でフーっと息を吹きかけた



歩君と一緒に食べた苺大福は
まるで苺の私を
歩君が柔らかく包んでくれているようで
とろけるような幸せな味がした



12月24日から1月5日までの
私のバイトのない冬休みは
ビックリするほど時間がたつのが早い




公民館に行ったり
初日の出を見て、初詣に行ったり
羽子板を振り回して
歩君と真剣勝負をしているうちに
あっという間に終わってしまった



そして学校、バイト、勉強と
睡眠時間4時間生活が
また始まってしまった