365枚のラブレター


(歩side)

今日は
兄ちゃんと花純の結婚式



俺は今
クララを迎えに行くため
寮まで歩いている



「花純が結婚かぁ・・・」



花純と出会ったのは、小4の時



俺が友達なんていらないって
強がっていた時に
俺に友達を作ってくれたのが花純だった



俺より6歳も年上で高1だった



小5になって
花純が好きなんだって気がついた



公民館で放課後に
俺たちと本気で遊んでくれて

悲しんでいる子がいたら
優しく話を聞いてくれる



それなのに
花純自身は誰にも頼れない
心の闇みたいなものを抱えていて
俺も花純を助けたいと思った



笑顔にしたいと思った



でも花純を心から笑顔にしたのは
俺ではなく
花純と同級生の尊兄ちゃんだった



花純と兄ちゃんが付き合いだしてから
俺はどうしたらいいかわからなかった



花純が好きだ
でも
兄ちゃんには勝てないとわかりきっていた



だから5年間も
言霊神社神社に通っていたんだ



俺の願いを叶えてほしくて

『花純以上に好きになれる子と
 出会えますように』って