365枚のラブレター


(歩side)

クララって、本当にかわいいよな



『すっごく嬉しい』って
ふんわり笑った顔を見て
俺は顔が赤くなってしまった



登校中は誰に見られてるかわからない



こんなダルダル顔を見られたくなくて
俺はとっさに右手で口と頬を隠した



でも
クララは俺の物だって
全校生徒にわからせないと!!



高校にクララを放ったら
誰が狙ってくるかわからないからな!!



俺って結構嫉妬深かったんだなと
初めて知った




クララを職員室まで送り
しばらくして出てきた



「歩君・・・
 クラス違った・・・」



「え?クララ何組?」



「3組・・・
 歩君は2組でしょ・・・」



「すっげーショック!
 同じクラスになるように願ってたのにさ

 ま、昼休みにはクララのクラスに行くよ。
 一緒にお昼食べよ」



「うん」



まじか・・・
クララは隣のクラスか・・・



「歩君、教室まで送ってくれてありがとう」



「クララ、頑張れよ」



「うん」



クララは明らかに緊張している様子で
教室のドアに向かった



「あれ、クララじゃん」



教室で
クララに話しかける馴れ馴れしい男



この声はもしや・・・



「琉生君」



クララ!

ニコニコして琉生の奴の名前呼ぶなよ!



「お前さ、昨日カッターどこ置いた?

 お前が帰った後に使おうと思ったのに
 どこにもなくてさ」



「え?カッターなんて使ってないよ
 奏多さんじゃない?」




「そうかも!
 奏多さんって、使っても置きっぱなしだもんな」



「アハハ そうだね」



クララが琉衣と楽しそうに話しているのを見て
俺の心がフツフツイライラしてきた



でも、嫉妬している自分が情けなくて
俺は急いで、自分のクラスに戻った