(クララside)
「ここって・・・・
幸せの卵焼き屋さん!!」
「卵焼き屋ではないけどな
ま、いっか」
カランカラン
お店に入ると
幸せの卵焼きをくれた美紅さんと
男の人が店にいた
「歩、久しぶりじゃん!
もしやこの子が、噂のクララちゃんだな」
「奏多、ジロジロ見んなって」
奏多さん?
そっか。この人が美紅さんの旦那さんね
「お前、俺より6こも年下なくせに、
尊(みこと)に似て
生意気なんだよ。この!この!」
歩君も奏多さんも
兄弟猫がじゃれ合ってる感じ
お兄さんの幼馴染って言ってたし
家も隣で仲がいいんだろうな
「歩君、今日はお惣菜買いに来たの?」
「美紅さん!
このお店、バイト募集してますよね?」
「ええ!
お父さんたちが2号店を出したから
忙しくなっちゃって」
「そうそう!
俺目当てのお客もジャンジャン来るから
スタッフ足りないんだよね」
「フフフ
もう奏多君ったら。
あながち間違ってもないけど」
「あの・・・
私じゃダメですか?」
「え?」
「幸せの卵焼き、私に売らせて欲しいです」
「フフフ、クララちゃんって面白い」
「でも私・・・外国から来たので・・・
日本の常識があんまりなくて・・・
あと・・・どこから来たかとかも・・・
あんまり言いたくなくて・・・」
「良いんじゃね、な。美紅!」
「うん。私、クララちゃんが気に入ったわ
ぜひ、このお店で働いて」
「はい!ありがとうございます」
「良かったなクララ」
「うん」
人間界のことを知らなすぎの私がバイトなんて
心配でしかないけど
生きていくためには働くしかない
とりあえず
私なんかを働かせてくれるところがあって
ホッとした



