365枚のラブレター

（歩side）

「え？？？
　バイトするの？？？」



今日はクララとショッピングモールデート



クララの生活用品を買いに来たってのもあるが

真夏の昼間に外にいるのは
体が焼け焦げるほど暑いし

熱中症で倒れそうだから
毎日のように涼みに来ている



「そうなの
　魔法界で貯めていた貯金を
　この前人間界のお金に換金したの

　でもね
　そのお金ももうすぐ底を
　ついちゃいそうなんだ・・・」



そうだよな



クララはもう、頼れる親もいない



寮のお金も、食費、
光熱費も、学校のお金だって
全て自分で払わなければいけない



俺はクララと一緒にいたいってだけで
お金のことは全く考えてなかった



俺がクララにしてあげられるのは
あんまり溜まっていない
俺のお年玉貯金をあげることくらい・・・



こんなことなら
無駄にゲームや漫画を買ったりしないで
もっと貯金しておけば良かった



でも・・・
クララがバイトをするってことは
会える時間が減ってしまうってことだよな・・・



「人間界の常識を
　まだまだ知らない私なんかが
　働ける場所・・・あるかなぁ・・・」



バイト？

そういえば・・・



「クララ、ちょっとついて来て」



「え？」



俺はある場所に
クララを連れて行った