(歩side)
夕方
クララと言霊神社で待ち合わせをしている
5日前
クララは俺を選んでくれた
人間界で暮らすと言ってくれた
でも
この5日間にクララが心変わりをして
もう一生会えないんじゃないかと思うと
心配で心配でしょうがなかった
「歩君~」
「クララ・・・」
俺はクララが目の前にいることが
ものすごく嬉しくて
顔は笑っているのに涙が溢れてきた
「歩くん?どうしたの?」
「ごめん・・・
クララが本当に来てくれたのが嬉しくて」
「ウフフ
魔法界・・・捨ててきちゃった」
クララの笑顔の裏に
悲しさが潜んでいるその表情に
俺の心は痛くなった
でも俺は覚悟を決めたんだ!
クララが俺を選んで良かったと思えるように
できることは何でもしようって
「もう、寮には行ったのか?」
「うん。同い年の舞ちゃんって子がいてね
その子がルームメイトなの
あ、歩君は同じ高校で
隣のクラスって言ってたよ」
「ああ、高梨舞か
じゃあ、あいつも魔法界の人間なのか?」
「うん。
でも、生まれた時から
人間界で生活してるんだって
舞ちゃんのことも内緒だからね」
「わかってる
高校で高梨だけが
クララが魔法界からきたって
知ってるってことだよな?」
「そうなの!
舞ちゃんとも仲良くしてね」
「今まで話したことなかったけど
頑張ってみる!」
「でもでも、舞ちゃん美人さんでしょ。
歩君が舞ちゃんを
好きになっちゃったらどうしよ・・・」
「ないって、それは!
俺はクララが大好きで
クララとずっと一緒にいるって
決めたんだから」
「歩君・・・
歩君に出会えてよかった」
「俺も、クララに出会えてよかった」
俺はクララの手を握ると
クララを見つめて微笑んだ



