ギルベルトはいつも以上にお酒を飲み、ぼんやりとしか記憶はないらしい。

酒場を出て、まだ飲み足りないと同僚たちが言ったため、ギルベルトはロメリアと暮らしている家に同僚たちを連れて行った。

そこで同僚たちはさらに酔っ払い、どんちゃん騒ぎをし始めた。すでに眠っていたロメリアは目を覚まし、近所からもクレームが飛んでくる。

それが原因で大喧嘩したのだ。

「俺、強がって色々言っちまったけど、一番悪いのは俺だからさ……。でもどの花を贈ればいいかわからなくて」

ヴァイオレットはかばんから植物図鑑を取り出す。そして、ギルベルトに見せた。

「この花はどうでしょうか?この花はカパンニュラと言います。花言葉は、「後悔」と誠実です」

ギルベルトは紫の花を見つめる。そして、「早速贈る」と笑った。

ヴァイオレットは、「仲直りができるように、祈っています」と言い、家へと帰る。



数日後、お揃いのエンゲージリングを指にはめ幸せそうな二人の写真と、おいしそうなクッキーの詰め合わせがヴァイオレットに届いた。