【番外編 その5】
グリム童話 シンデレラのパロディストーリー
ハナデレラ




田園風景の美しいある田舎に、裕福とは言えずとも、幸せに暮らしている家族が居ました。

しかし、ひょんなことから両親が喧嘩をしてしまい、話は離婚にまで発展してしまいます。

今回、この物語の主役になるであろう少女 ハナは、どうにかして両親を止めようとしました。

しかし、それも虚しく、幸せだった家族はバラバラになってしまったのです。

父の方に連れてこられたハナに、しばらくして、新しい母親ができました。

新しく母親になる女性は、金遣いの荒い人でした。

そして、その女性には、一人の娘が居ました。

その娘 ミズカワは、ハナの美貌を煩わしく思うようになります。

昔からハナは自分自身に、あまり自信が持てずにいました。

その弱々しい様をいいことに、ミズカワ姉さんはハナに毎日のように、掃除当番を押し付けたのです。



「おい、ハナ!風呂場のカビが、すげぇんだけど!ちゃんと磨いてんのかぁ?!ああ?!」

「自分、不器用なんで。毎日言っているじゃありませんか。そんなに言うなら、自分でなさったらええんちゃいますか?ミズカワ姉さん」

「無駄口叩く暇があったら、とっととその廊下掃除を終わらせて、風呂場、磨いてこい!」

「…はい。ミズカワ姉さん」