「じゃあまたやってみたい人、順番に並んでね~」

みんな結構上手にやれてるじゃない。
計算力とスピード、俊敏さが必要なゲームねコレは。
興味を持ったお母さんからまた声をかけられ、説明をする。
子供が面白いと思っても、親がいいと思わないと買ってもらうことは出来ないから、説明にも力が入る。

あかりはお友達と一緒にゲームを楽しんでいるみたい。
いったい何人呼んだのだろう?
これは、アルバイト代出さないといけないかも。

「蘭さんよね、お疲れさま。今日は来てくれてありがとう!」

あ、確かこの人は……。

「上村課長、おはようございます。今日はお世話になります」

「おはよう。ところで、イケメン高校生は来てないの?」

キョロキョロと周りを確認する上村女史。

「あの2人ならもう少ししたら来ると思います。お待たせしてすみません」

「いいのよ。宮本くんから双子のイケメンって聞いて楽しみにしてたのよ。佐伯くんにフラれたのは痛かったけどね。あ、そろそろ蘭さんはお昼の休憩に入って。妹さんはあかりちゃんだったかしら?一緒にそこのカフェでランチ食べて来てね」

「はい。じゃあお先に休憩させていただきます」

すぐ近くにあるカフェであかりとランチすることに。
お昼時だからか、少し前の賑わいに比べたら落ち着いていた。
このカフェからイベント会場が良く見える。

「お兄ちゃんたち、早く来ればいいのに!ね、お姉ちゃん」

あかりはこのイベントを楽しんでいるようだ。
母が入院中で寂しそうだったけど、こんなに明るい笑顔を見られたから連れてきてよかった。

「あかり、お母さん明日退院だよ。お姉ちゃん仕事休みにしてもらったから迎えに行って来るね」

「うん!よかったね。すっごく嬉しい!あ、アラにぃとマコにぃ来たみたいだよー。私先に行ってもいい?」

「うん。お姉ちゃんもコレ飲んでしまったら行くから」


走って双子のもとへ行ってしまったあかり。
私も行かなきゃな……。

「蘭さん、弟くんたち来てくれたよ。双子なんだね、モテそうだよね。課長がはしゃいじゃってるよ」

「迫田さんお疲れさまです。お先に休憩いただきました。私も戻らないと」