「そう言えば、お姉さんはうちの学校卒業らしいな。成績は常に学年トップで、伝説になっているんだよな!」

「本人は淡々としてましたけどね」

「そんなに頭いいなら、商業高校より進学校のほうが……」

「姉貴には姉貴の理想があったと思うけど、いつでも最善の選択をしてきたと思いますよ。姉貴には苦労も多かっただろうから幸せになって欲しいですね」

「俺も同感。姉貴のためにしてやれることがあれば、してやりたいと思うし」

姉思いのいい奴等だな。
コイツら見てると、分かる気がする。
姉貴や妹や、母さんも、きっとみんな家族思いなんだろう。

俺と父さんも、負けていないはずだけどな。
例え、血が繋がっていなくとも。
逆に、血の繋がりがあっても離ればなれでは……。
"家族"とは言えない。
俺の持論だけど。
愛情は血よりも濃い……。
俺は、そう思っている。


~~~♪

「おわっ!姉貴から電話だ。ちょっとスミマセン」

新が電話で姉貴と話してる。

「うん、大丈夫だって!分かってるよ、はいはい。遅くならないようにするって。姉ちゃんとあかりにお土産あるから。信に代わろうか。え、要らない?」

「おぃぃ~酷いな姉貴!!」

賑やかな兄弟だな、本当に。
うちはいつも静かだから、たまにはこんな空間もいいかもな。

「父さん、このお好み焼き全部持たせていいんだろ?信、ほら手伝え」

「了解です!吉田先生、翔真さん、遠慮なくいただきます!!」

「おう、母ちゃん……は入院中か。姉ちゃんと妹に食べさせてやりな」

父さん、かなり酔ってきたな。
久し振りに生徒を家に呼んで、賑やかで、嬉しかったんだろう。

「またいつでも来いよ。俺にも弟がいたら、こんなだったのかなって思ったし、楽しかった」

これは、紛れもない本音。

「俺たちも、姉貴はいるけど兄貴はいないから……」